死亡のリスク因子

溶血は早期死亡のリスク因子です1(海外データ)

  • 診断時に溶血(LDH≧1.5xULN)が認められたPNH患者さんの死亡率は、年齢および性別をマッチさせた一般集団の5倍でした(95%CI 3.0-6.6、P<0.001、Cox比例ハザードモデル)1(海外データ)

溶血(LDH≥1.5×ULN)は、血栓塞栓症発症リスクに関連する有意な指標です(LDH<1.5×ULN+症状なしとの比較、P<0.013、χ2検定)2(海外データ)。

  • 血栓塞栓症がみられたPNH患者さんの96%で、LDH ≥1.5×ULNが認められました2(海外データ)
  • 年齢、骨髄不全の既往、クローンサイズ、白血球数、血小板数、ヘモグロビン値などのパラメータは、血栓塞栓症発症リスクの有意な指標ではありませんでした(P値:0.111~0.981、χ2検定)2(海外データ)

溶血のみ、または溶血に加え、溶血が引き起こす臨床症状がある場合、血栓塞栓症発症リスクは増大します2

  • 血栓塞栓症を発症した PNH患者さんにおける腹痛、胸痛、呼吸困難の発現率(それぞれ68.5%、24.1%、55.6%)は、血栓塞栓症を発症しなかったPNH患者さん(それぞれ42.5%、10.1%、33.2%)に比べて有意に高値(それぞれP<0.001、P=0.009、P=0.002、χ2検定)2
  • 溶血に加え、これらの臨床症状のいずれか1つを伴う場合、溶血のみ、または臨床症状のみの場合に比べて、血栓塞栓症発症リスクが高いことが認められました2

クローンサイズにかかわらず、患者には血栓塞栓症のリスクがあります2

  • クローンサイズが小さい患者でも血栓症を経験することがありますが、クローンサイズ区分と血栓塞栓症を経験するリスクとの間にはいかなる関連も認められませんでした(P=0.843、χ2検定)2

顆粒球クローンサイズ50%以上の群で、ヘモグロビン尿、腹痛、強膜黄疸、男性機能不全、嚥下障害の発現頻度が有意に高いことが示されました3

  • 国際PNHレジストリーの罹病期間中央値4.6年の1,610例の解析結果
  • 疲労、頭痛、呼吸困難などでは、クローンサイズによる発現頻度の差はみられませんでした3

References: 1. Jang JH, et al. J Korean Med Sci. 2016;31(2):214-221. 2. Lee JW, et al. Int J Hematol. 2013;97(6):749-757.[利益相反:本論文の著者にAlexion Pharmaceuticals, Inc.より講演料、顧問料等を受領している者が含まれる。] 3. Schrezenmeier H, et al. Haematologica. 2014;99(5):922-929.[利益相反:本研究はAlexion Pharmaceuticals, Inc.の支援によって実施された。本論文の著者にAlexion Pharmaceuticals, Inc.の社員が含まれる。]