PNHの臨床評価
PNHの症例研究によって、一般的な臨床症状の中に潜む“生命にかかわる重篤な合併症”が、検査所見と臨床症状からどのように予測されるのかが明らかになってきています。
次の患者さんたちは、検査所見と日常的に一般的な症状から“重大な合併症”の可能性が示され、さらにくわしい検査を受けました。“水面下に潜んでいた”重篤な合併症がどのようにして明らかにされたのか、患者さんの検査結果をクリックしてください。
血清クレアチニン（SCr）上昇を
呈した患者1
呈した患者1
- ヘモグロビン尿
- 尿中赤血球は顕微鏡で認められませんでした
- 腎機能障害
- クレアチニン値上昇：4.0 mg/dL（女性:0.6-1.1mg/dL）
- 溶血の徴候
- LDH 上昇：2454 IU/（L 105-333 IU/L）
- 間接的高ビリルビン血症（総ビリルビン／直接ビリルビン： 3.01/0.71 mg/dL ）
患者さんの診断後の腎生検所見。広範囲に及ぶ腎障害と遊離ヘモグロビンによるヘモジデリン蓄積が認められます。
- 色素沈着‡
-
尿細管壊死および変性
‡矢印は色素沈着を示す。
8. Tsai CW, et al. Kidney Int. 2007;71(11):1187.
呼吸困難を呈した患者2
- PNH 患者の臨床検査値
- LDH上昇
- NT-proBNP上昇
- PNH患者さんの肺の後方部における複数の灌流欠損*
- 複数の患者の既往歴では血栓症の臨床所見について報告されていませんでした
*矢印は灌流（血流）中断により暗色を呈した区域を示す。
6. Hill A, et al. Br J Haematol. 2012;158(3):409-414.［利益相反：本論文の著者にAlexion Pharmaceuticals, Inc.の社員が含まれる。］
腹痛を呈した患者3
- PNH患者は以下の臨床検査値および症状などを示します
- LDH上昇
- ビリルビン上昇
- ヘモグロビン低値
- 腹痛
- 入院時の症例患者の腹部 CT スキャン。スキャンにより、十二指腸の下行部に壁側肥厚が認められます（2本の矢印）。
- 血管造影 CT 検査で、動脈にも静脈にも血栓形成は認められませんでした
9. Torres J, et al. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2010;7(7):410-414.
1. Tsai CW, et al. Kidney Int. 2007;71(11):1187. 2. Hill A, et al. Br J Haematol. 2012;158(3):409-414.［利益相反：本論文の著者にAlexion Pharmaceuticals, Inc.の社員が含まれる。］ 3. Torres J, et al. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2010;7(7):410-414.