PNH検査(フローサイトメトリー)

高感度フローサイトメトリー*(HSFC)は、PNH診断に有用な検査法です1,3,7

  • ICCSでは、PNH診断用マルチパラメータHSFCが推奨されています1
  • HSFCは、骨髄でなく末梢血を用いて行います1,3
  • 白血球(複数の試薬を使用)と赤血球に対しPNH診断用HSFCを実施する必要があります1
    • FLAER/CD24の組み合わせを用いた顆粒球の評価により、PNHのクローンサイズを正確に推定することができます1-3
    • 溶血および輸血による希釈効果のため、赤血球のみの評価は正確でない可能性があります1,3-5

適切な臨床的決断を下すためには明確な報告が不可欠です。報告には以下の項目を含める必要があります1,2

  • 各血球細胞系(すなわち顆粒球、単球、および赤血球)のクローンサイズ
  • タイプIIおよびタイプIIIの赤血球の割合(GPI欠損赤血球の割合)
  • 感度(0.01%の高感度での解析が望ましい)
  • これまでのすべてのフローサイトメトリーの結果(クローン拡大をモニターするため)
  • 国際PNH専門家会議(IPIG)は、クローンが同定された患者を6~12ヵ月ごとに定期的にモニターするよう推奨しています3

*クローンサイズを0.01%の感度でPNH型血球を検出します。
※高感度フローサイトメトリーは保険適用外です。

検査では、赤血球に関してはPNH診断用高感度フローサイトメトリー(HSFC)、白血球に関しては複数の試薬1,2を用いて行う必要があります

  • 赤血球のみの評価では、溶血および輸血の希釈効果によりクローンサイズが過小に報告される可能性があります1,3-5
  • CD55とCD59の両方またはいずれかを用いる「ルーチン」検査は、PNH のクローンサイズが1~2% 以下では、正確ではなく感度もすぐれていません1
  • 顆粒球がPNH クローンサイズを最も正確に推定します1,3,6
    • PNH顆粒球を検出するために推奨されているのは、FLAER/CD24の組み合わせです2
  • 白血球のクローンサイズに対して赤血球のクローンサイズが低値なら、血管内溶血が示唆されます1

  • 国際PNH専門家会議(IPIG)は、高感度フローサイトメトリーを施行するよう、推奨しています3
    • PNH診断の確立後:
      • 6~12ヵ月ごと
    • AAまたはRA-MDSの患者では:
      • クローン同定にかかわらず、診断時および毎年

IPIG:International PNH Interest Group

References: 1. Borowitz MJ, et al. Cytometry B Clin Cytom. 2010;78(4):211-230.[利益相反:本ガイドラインはAlexion Pharmaceuticals, Inc.の支援によって策定された。著者にAlexion Pharmaceuticals, Inc.の顧問が含まれる。著者にAlexion Pharmaceuticals, Inc.より研究助成金等を受領している者が含まれる。] 2. Sutherland DR, et al. Cytometry B Clin Cytom. 2012;82(4):195-208. 3. Parker C, et al. Blood. 2005;106(12):3699-3709. 4. Höchsmann B, et al. Ann Hematol. 2011;90(8):887-899. 5. Sutherland DR, et al. Am J Clin Pathol. 2009;132(4):564-572. 6. 発作性夜間ヘモグロビン尿症診療の参照ガイド 令和4年度改訂版, p21. 7. Sharma VR. Clin Adv Hematol Oncol. 2013;11 Suppl 13(9):2-8.[利益相反:本論文はAlexion Pharmaceuticals, Inc.より提供された知見に基づいて作成された。著者にAlexion Pharmaceuticals, Inc.の社員が含まれる。] 8. Pu JJ, et al. Eur J Haematol. 2011;87(1):37-45.